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碓氷峠鉄道文化むら訪問記3

交直両用が求められる常磐線での運用を目的に製造されたのがEF80です。この前面デザインは後に登場する多くの国鉄型電機に採用される事になります。新製配置から廃車まで一貫して常磐線系統を中心に運用されたのが特徴的です。交流機器やその周辺部の経年劣化が早かったようで、登場から20年程度で全車廃車された短命な形式です。


EF63はかつてこのような茶色塗装で活躍していました。その後直流電機でお馴染みの塗装に塗り替えられたのですが、碓氷峠廃止に伴って一部の車両が復刻塗装となりました。


山陽本線に存在する急勾配区間「瀬野八」での補助機関車として改造によって生まれたのがEF59形です。連結器に特殊な改造を施して、走行中に連結器の開放を行って列車と分離するという斬新な技が行われました。これは開放作業に必要な列車の停車時間の短縮を目的にしています。訪問時は修復作業中で痛々しい姿を晒していました。綺麗な姿になって再び現れる事を期待したいです。


ナハフ11形は10系客車の一員で、従来の旧型客車に比較して大幅な軽量化に成功した革新的な車両でした。ですが極端な軽量化によって数々の問題点も浮上しました。老朽化が予想以上に早く進行した事、内装材に火災に弱い素材が使用されていた事などです。短命に終わった形式ですが、国鉄車両の設計・製造に革新をもたらした事は間違いありません。


従来車に比べて小型軽量で高性能な機関車として登場したのがEF60形です。その中でも500番台は寝台特急列車の牽引に活躍しました。しかし元々は貨物機として設計された車両故に東京~下関間1000キロ越えの長距離高速運用には向いておらず、過負荷運転が連続したことによる主電動機故障が頻発しました。後に後継のEF65形の登場により引退しました。個人的には上部中央に設けられた前照灯が可愛らしくて好きなんですけどね。


EF65形は国鉄直流電気機関車の標準形式として、国鉄電気機関車史上最多の308両が製造されたベストセラー機です。その中でもこの500番台は高速貨物列車けん引用に製造されたF型と呼ばれるもので、貨物列車の花形機関車と言える存在です。解体予定であったものを本機の保存会やJR貨物の協力で保存が決定しました。


EF63と同じくEF62も登場時は茶色塗装でした。こちらには目立つアンテナが無くスッキリしています。


戦後の貨物輸送需要に対応すべく投入されたのがEF15形です。旅客用のEF58形と主要部品が共通化されているそうで、事実上の標準型として202両も製造されました。直流電化されている主要幹線に投入されて大活躍しました。


オハユニ61形は元々大正時代に製造された木造客車を鋼体化して郵便荷物合造車として生まれ変わりました。客室の半分が3等客室で、残りが郵便室と荷物室になっています。郵便室は室内で郵便物の仕分けが出来るように区分棚も設けられています。


ゴハチの愛称で親しまれているEF58形も展示されています。流線型を取り入れた秀悦なデザインは多くのファンを魅了しました。こちらは青にクリームの直流電機標準色で塗装されています。


10系客車の一員であるオハネ12形は3段寝台車で、昼行列車では座席車としても使用されました。特急・急行列車で活躍しましたが、晩年は夜行の普通列車ながさき号に連結されていたそうです。


同じく10系客車グループのオシ17形は食堂車として製造されました。旧型車に比べて車幅が拡大された事により全テーブル4人がけとなっています。ただしこちらに保存されている車両は乗務員育成のための教習車に改造されていて、車内は面影を残していません。

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