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個性的な列車を乗り継ぐ日光・鬼怒川取材記2

駅前に設けられている転車台の周りには大勢のギャラリーが集まっていました。すべての角度にいるギャラリーが等しく写真撮影できるように数回停止しながら転車作業が行われます。


この転車台は広島県の三次駅のものを移設しています。下今市駅の転車台は山口県の長門市駅から移設したもので、どちらもJR西日本の協力によって移設が実現しています。なお蒸気機関車はJR北海道からの借り受けに加えて真岡鉄道や日本鉄道保存協会からの譲渡で、客車はJR北海道とJR四国からの譲渡を受けています。また乗務員や検修員の養成には蒸気機関車を運用している日本全国の鉄道他社の協力によって実現しています。今年からは遂に自社養成もスタートして更なる発展が見込めます。


空いているスペースを見つけたので間近で撮ってみました。本線上では常に車掌車を連結していますが、これは本来機関車に搭載する保安装置を車掌車に搭載しているため、切り離すと本線上で走行出来なくなるためです。なお車掌車には検修員が添乗して不測の事態に備えています。


SL大樹を満喫した後は東武日光へ移動します。ほとんどの旅客は折り返しのSL大樹に乗車するのか、駅構内は閑散としていました。ホームには会津田島行きの6050系が停車していたので早速撮影。このあと乗車した下今市行きの列車も6050系でした。


かつては浅草~会津田島間などの長距離快速列車にも充当されていたので、シートピッチこそ狭いものの座り心地はかなり良好でした。下今市で乗り換えた東武日光行きも6050系で快適に移動出来ましたが、近年は日光エリアにもワンマン運転実施のために20400型による侵略が始まったようです。老朽化もあって今後数を減らすことが予想されるので、6050系に乗車予定の方はお早めに。


東武日光駅前にはかつて日光エリアで運行していた路面電車が展示されていました。当時は最大勾配60パーミルという過酷な環境で活躍していたので、足回りは一般的な路面電車より重装備だったようです。路線廃止後は岡山電気軌道で活躍の後、再び日光に戻って来ました。


駅周辺を散策したあと駅に戻り、停車中のAIZUマウントエクスプレスを撮影します。特に案内放送が無いので改札外で待っていたら既に乗車扱い中でした。2両のうち下り方は専用車のAT-750形です。会津塗をイメージした赤色が特徴で、トイレ付きのAT-750形2両とトイレ無しのAT-700形1両が存在します。


車内は鬼怒川温泉で連絡する東武特急と遜色ないサービス水準を提供するため、特急列車並みの設備が備えられています。木目調の車内に回転リクライニングシートが並んでいて、料金不要の列車としては異例の豪華さを誇ります。


対して上り方はAT-600形でした。AIZUマウントエクスプレスは専用車3両に対して必要数2両なので余裕はあるはずですが、今日はイベント対応一般車が連結されていました。なお同仕様でトイレ付きのAT-650形も在籍しています。組成の際には専用車優先かつ最低1両はトイレ付車となるよう配慮されていると思われます。


車内は転換クロスシートが並ぶのみで質素な雰囲気です。とは言え会津鉄道の一般的なセミクロスシート車よりは十分快適ではあります。なおAIZUマウントエクスプレスは野岩鉄道を通って東武鉄道まで乗り入れていますが、両社には気動車の免許を所有する運転士が在籍していません。そこで全区間を会津鉄道の運転士が越境乗務で対応しています。ちなみに会津鉄道には電車の免許を所持する運転士が在籍していないので、リバティ会津などの電車で運転される直通列車は野岩鉄道の運転士が越境乗務で対応するという面白い形態が採用されています。


そして本日の締めくくりはJR直通特急列車の日光8号で新宿へ向かいます。かつて成田エクスプレスとして活躍していた253系1000番台が充当されています。こちらも個性の強い車両となっています。運転本数が少なくて遭遇確率が低いからか、写真に収めようとカメラを構える鉄道マニアの姿を多く見かけました。


ボッタクリ車両として有名であった253系の中でも2002年FIFAワールドカップ開催における輸送力増強を目的に製造された編成で、座席は一般的な回転リクライニングシートが装備されたアタリ編成でした。東武直通特急への転用にあたってはスペーシアとの格差解消のためリニューアルが施されてスペーシアと同等にシートピッチが拡大されています。しかし窓割りはそのままなので、画像のように盛大に窓枠とぶつかる区画が存在します。


挙句の果てには小窓+戸袋窓という眺望性最悪の特急列車にあるまじき区画が生まれています。空港連絡列車特有の装備として大型荷物置き場がありましたが、一部を座席に転用する際に発生してしまった区画です。なお新宿方の6号車のみグリーン車を改造したので窓枠と座席はほぼ一致しています。今回は怖いもの見たさとトクだ値の発売期間であったので利用しましたが、同じ料金でスペーシアにも乗車できることを考えるとコスパは悪いですね。JRとの短絡線がある栗橋駅到着時にはセクション通過の際に10秒ほど予備灯を除いて停電して空調とLED表示機が停止します。

今回は個性的な列車ばかり乗車してWEB更新ネタや同人誌ネタが収穫出来て大満足となりました。今回の旅行記で登場した車両については鉄道車内学で後日詳しくご紹介させて頂きますので、そちらも楽しみにお待ち頂ければと思います。この翌日から関東は再び緊急事態宣言が発令されました。早期に収束して再び自由に旅行が楽しめる日が訪れる事を切に願います。

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