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個性的な列車を乗り継ぐ日光・鬼怒川取材記1

東武鉄道で大人気の観光列車「SL大樹」に乗りたいと前々から思っていた所、JR直通特急の「日光」が50%オフで利用出来るお先にトクだ値スペシャルの発売を知ったので日光・鬼怒川方面への取材に行ってきました。

SL大樹の始発駅である下今市駅に向かうべく「きりふり」に乗車するのですが、タイミング良く9100形がやって来ると分かったので羽田空港駅に立ち寄る事にします。


かつて1度だけ乗車した事があったのですが、車内を詳しく観察するのは初めてになります。流線型で中央部に設けられた前照灯など特徴が多いですが、この車両は外観だけでなく内装も非常に個性的です。


関東の通勤型車両としては珍しくクロスシートが設置されているのですが、左側は車端部側を向いて2基設置されているのに対して、右側は対面型のボックス配置となっています。これはボックス席背面のアクリル板で仕切られた奥に公衆電話スペースが設けられていた名残です。空いていたのでクロスシートに座ってみましたが、程よい柔らかさで座り心地が非常に良かったです。


浅草駅からは「きりふり」で下今市へ向かいます。ホームには既に停車していましたが、降車後に一旦回送として出発した後に再度入線してから車内清掃を行っていました。留置線で清掃終了後に入線してくると思っていたので意外でした。国鉄型ではよくありましたが、私鉄車両で前面に列車愛称表示幕が設置されているパターンは珍しい気がします。


座席は背面や肘掛けまでモケットに覆われています。この車両最大の特徴は座席がリクライニングしないという事です。21世紀にリクライニングしない座席を有する有料特急列車が存在するというのは衝撃的です。きりふり専用の割安な特急料金が設定されているものの、スペーシアの午後割料金と同額というのは微妙ですね。それでも浅草から下今市までの1時間50分の乗車でも疲労を感じない辺り座席の造りは悪くないようです。同じ東武のTHライナーよりは確実に良好な座り心地でした。

浅草発車時点では4人でしたが、スカイツリーで2人、北千住で9人とまずまずの乗車率でした。浅草駅入場前に券売機でシートマップを確認した時点では2人しか予約が無かったので、直前の購入が多いようです。観光客ばかりではないようで、新栃木や新鹿沼でも降車が見られました。スジの関係か車両性能の関係かは不明ですが、直前のスペーシアより10分ほど所要時間は長めです。


下今市駅に到着後は余裕があったので、駅構内に設けられている転車台広場を見学します。転車台の奥には機関庫が設けられていて、庫内にはDE10形が2両待機していました。動く様子が全く見られないので妙だと思っていたら、乗車したSL大樹5号は補機なしで運行されていました。公式サイトには補機付きで描かれていたので、SL単機で牽引出来ることは意外でした。敷地内にはSL展示館も併設されていて、1階には記念メダルの自販機がありました。記念に購入したのですが、2種類あるうち1種類は売り切れでした。鬼怒川温泉にも設置されていましたがこちらも売り切れ。


下今市駅の側線では客車と機関車の連結作業が行われていました。当日の編成は鬼怒川温泉方から【スハフ14-1】【オハ14-1】【スハフ14-501】でした。最後尾のみ500番台の元JR北海道車なのでドアが折り戸ではなく引き戸です。各車両共に新車のような美しさで、入念な改修作業に加えて日頃のメンテナンスが行き届いている事を感じさせます。


列車がホームに入線する頃にはそれなりの数の乗客が集まっていました。乗車直後に違和感を感じてデッキ付近をよく見ると逆段差が発生していました。客車はかつての低いホームに対応するため乗降口にステップが設けられていますが、現代のホームでは逆にステップの方が低くなってしまいます。そのため乗車直後に一旦低いステップに足を乗せた直後に段差を上って車内に入るという現象が発生します。引き戸ならステップを埋めて改善できるのですが、折り戸は構造上の理由で改造できないのでしょうね。なお逆段差は下今市より鬼怒川温泉の方が差が小さかったように感じました。


外観だけでなく内装も往年の雰囲気を色濃く残した素晴らしい状態です。座席は背中を起こすと元に戻ってしまう簡易リクライニングシートで、国鉄型特有のグシャっと潰れるような座り心地もそのままです。検札の際にSLアテンダント通信というものを頂いたのですが、マニアックになりがちな内容を分かりやすく紹介していました。なお乗車当日は東武ワールドスクエア内に沖縄の首里城が完成した事を受けて琉球民謡の生演奏が行われるなど盛り上がりました。沿線住民の方もSL列車に注目しているようで、運行中に車窓から手を振る方の姿を幾度も見かけました。


鬼怒川温泉に到着すると記念撮影で機関車周辺は大変混雑します。編成写真は反対ホームからの撮影がオススメですが、転車台に向かうため間もなく切り離し作業が行われます。撮影予定の方はお早めに。


切り離し後はほとんどの乗客が駅前の転車台に向かうので、入れ替え作業中の駅構内は閑散とします。作業中には機関車と客車が並ぶシーンも見られます。


無人に近いホームではトレインマークも間近で取り放題です。動輪をイメージしたデザインですが、国鉄時代らしい文字のみの仕様も作ってほしいですね。なお主役の機関車がいないタイミングは客車の外観を撮影する絶好のチャンスともなります。


駅改札脇には東武鉄道の鉄道むすめである「鬼怒川みやび」がデザインされた自販機がありました。撮り忘れましたがデフォルメ仕様のデザイン自販機もありました。それにしても近年鉄道むすめに関する新情報をほとんど聞かなくなりましたが、トミーテックとしてはコンテンツ終了という認識なのでしょうか?展開次第ではまだ十分人気が出そうですが…。

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