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青春18きっぷで行く京都鉄道博物館訪問記4

続いては夜行列車に革命をもたらした581系電車です。緻密な設計がなされた折り畳み寝台の採用で、寝台状態と座席状態の2パターンに変化させることが出来ます。これによって夜行列車から昼行列車まで一日中運用させることが可能になりました。


こちらは座席状態の車内です。普通のボックス席になっていますが、これに特急料金が必要でしたので乗客からの評判は宜しくなかったようです。昼行列車としてはグレードの低いものとなってしまいました。


さらに寝台状態でも問題がありました。中・上段の居住スペースが狭く、のちに登場した2段寝台客車の登場以降は見劣りするようになりました。そして寝台の組立・解体作業に多くの人員が必要であった点も問題となりました。夜行にも昼行にも中途半端な存在となってしまい、過酷な運用による老朽化もあって活躍は長くは続きませんでした。


そして日本全国を駆け回った伝説級の特急型車両485系の碓氷峠越え対応車両である489系です。初期型は大きく突き出たボンネットが特徴で、485系グループの中でも人気の高い車両でした。


壁面には著名な特急列車のヘッドマークが展示されています。どのマークのデザインもおしゃれですね。個人的には「つばめ」と「さくら」がお気に入りです。


館内にはまだまだ展示車両があります。こちらのEF52形は国産初の大型電気機関車だそうです。前方に突き出たデッキ付きのデザインが特徴です。製造当時はまだ技術水準が高くなく初期不良に悩まされたそうですが、これらの教訓が後継車種の製造に生かされました。


1800形蒸気機関車は東海道線の京都~大津間での運用を目的に英国キットソン社から輸入されたものです。勾配線区での運用でしたが、高性能でありながら石炭消費量が少なく乗務員から好評であったとの事で、性能の高さが伺えます。


京都鉄博には貨車も展示されています。こちらは車掌車のヨ5000形で、高速貨物列車に連結するために製造されました。その中でもこのヨ5008は日本初のコンテナ専用特急貨物列車「たから」号での運用を目的に、塗色をコンテナと同じ色に揃えています。貨物列車としては異例のテールマークも取り付けられて運転されたそうです。


隣には有蓋車のワム3500形が連結されていました。大正時代に製造されたもので車体は木造です。貨車の展示は2両のみでした。


新幹線0系に続いて置き換え用として製造されたのが100系です。0系の柔らかく優しい表情から大きく変わり、鋭く格好良い表情に変化しています。0系とは塗装も微妙に変化していて、クリーム色から白色に変化して窓下に帯が一本追加されています。


489系を上回る大きなボンネット形状が特徴のキハ81系は通称「ブルドック」と呼ばれています。特急型気動車としては日本初の車両だそうです。初期故障に悩まされて“特急がっかり”などと揶揄される事もあったとか。


車内は回転クロスシートというものが採用されています。進行方向には向くもののリクライニングはしないという特急料金を徴収するには厳しい代物です。旧型客車が跋扈していた時代にはこれでも贅沢なものだったのでしょう。

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