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SL大樹

2017年から運行を開始したSL牽引の観光列車が「SL大樹」です。日光・鬼怒川エリアの新たな名物として多くの観光客で賑わっています。なおSL大樹の運行にあたってはSL運行実績のある各社などから様々な支援を受けており、SL運用技術の伝承も行われています。


乗車日の牽引機は真岡鉄道から譲受したC11-325号機でした。基本的には先頭から機関車+車掌車+客車で構成されます。SL不調時などには後補機としてDLが連結されるそうです。一般的にSLは機関士1名と機関助士2名で運行されますが、Sl大樹では機関士2名と機関助士1名の体制で運行されます。


下今市駅の側線で客車と機関車の連結作業が行われている様子です。当日の編成は鬼怒川温泉方から【スハフ14-1】【オハ14-1】【スハフ14-501】でした。最後尾のみ500番台の元JR北海道車なのでドアが折り戸ではなく引き戸です。各車両共に新車のような美しさで、入念な改修作業に加えて日頃のメンテナンスが行き届いている事を感じさせます。


トレインマークはSLの動輪を模したものが用意されています。


当日の編成を詳しく見ていきます。1号車のスハフ14-1はJR四国からの譲受車で、スハフ14-5も併せて譲受しました。スハフ14は床下に車内照明や空調の作動に必要な発電用エンジンを搭載しています。


2号車のオハ14-1もJR四国からの譲受車です。車掌室が無いので必然的に編成中間に組み込まれます。当日はこの車両に乗車して車内写真を撮影しました。


3号車のスハフ14-501はJR北海道からの譲受車で、冬季の着雪・凍結対策として折り戸ではなく引き戸に改造されています。新製車ではなく本州で余剰となっていた車両を改造したもので、500番台の車番が割り当てられています。


車内は飾り付けが施されているものの、基本的には種車の雰囲気を色濃く残しています。外観と同様に車内も非常に綺麗に整備されている事からも東武鉄道の意気込みが伝わってきます。


座席は簡易リクライニングシートで、国鉄型特有のグシャッとした座り心地です。窓側にテーブルがありますが、非常に小さいので車内での飲食は向いていません。


デッキ手前には種車時代からの大型荷物置き場が存置されています。14系客車が元々波動用車両として製造されたので、レジャー客のスキー板やゴルフバッグなど大型荷物の収納スペースとして設けられたのだそうです。SL大樹では折り畳んだベビーカーを置いている様子が確認出来ました。


14系客車が製造された当時と現代ではホーム床面の高さに違いが見られます。そのためホームより車両側の床面が低い逆段差が発生しています。折り戸は構造上の理由で段差を埋める事が難しいため、改善は困難と思われます。乗降の際にはご注意を。


SLの次位には必ず車掌車が連結されていて、転車時にも連結されたままです。これは運行上必須となる保安装置を車掌車に設置している関係で、本線走行時には車掌車を切り離すことが出来ないためです。車掌車はJR西日本から譲受したもので、運行時には検修員が添乗して不測の事態に備えています。

SL大樹運行にあたっては必要な車両や設備を全国の鉄道会社から譲受して、運行要員を養成するためSL運行実績のある各社へ派遣して研修・免許取得を行いました。日光・鬼怒川エリアの観光の目玉としてだけでなく、日本の蒸気機関車技術の伝承のために末永い活躍を期待したいです。

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