2000形
乗降時間の短縮を図るために1000形の一部車両で開口幅2000mmのワイドドアを採用しましたが、座席数減少という問題点が発生しました。そこで座席数確保と乗降時間短縮を両立させるために、標準より300mm拡大した開口幅1600mmのドアを採用した2000形が製造されました。8両編成9本のみという少数派です。
外観は1000形とそっくりで、実現はしなかったものの千代田線直通を考慮して設計されています。全編成が8両で落成していますが、基本設計としては10両編成から中間2両を除いた構成となっています。近年のリニューアルで種別・行先表示機はフルカラーLEDに換装されています。
車内は落ち着いた雰囲気で、外観と同様に1000形とよく似ています。後年に袖仕切りと握り棒が交換されています。
座席はバケットシートが小田急初採用となりました。握り棒2本と合わせて定員着席の遵守に貢献しています。戸袋窓は色が付いているのでUVカットガラスでしょうか?
両先頭車の車端部には車椅子スペースが設けられていて、こちらも小田急初採用となっています。側面は戸袋窓のみですが、妻窓が設けられているので閉塞感は少ないです。
優先席は紫系のモケットで、妻面にもモケットが貼られています。優先席ステッカーが側窓の代わりに妻窓に貼付されています。何故か妙に高い位置に設けられている広告枠が特徴です。
フリースペースには非常通報機が設置されています。広告枠が妙に高い位置にあるのは非常通報機との干渉を避けるためでしょうか?戸袋窓の上下に1本ずつ握り棒が設けられています。
ドア周りは座席数確保のためかあまり余裕が無く、ドア上部にはLED表示機が設置されています。
2000形は少数派ながら8両編成の運用が限られている事から、新宿~本厚木間を運行する8両編成の各駅停車を狙うと遭遇しやすいと感じます。同じ8両編成でも3000形は増結して10両化が行われているので、2000形は8両のまま引退を迎える事になりそうです。