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E257系2000番台

踊り子号で運用されてきた185系の老朽化に伴い、中央線で運用されていたE257系が転用される事となりました。中古車両という時点でテンションが下がりますが、本形式は改造工事の内容や品質が劣悪で、湘南ライナーの特急化による事実上の値上げと共に各方面から批判を浴びる事となってしまいました。


熱海方先頭車の1号車は非貫通となっています。中央下部のLED表示機は新品に交換しなかったのか輝度が低く見難い状態です。塗装は伊豆の空と海の色をイメージした青系統に変更されて爽やかな雰囲気です。


東京方先頭車の9号車は貫通型となっています。修善寺発着の付属編成と併結する際は幌の接続も行われますが、何故か貫通路は施錠されているので乗務員のみ通行可能で乗客は通行できません。


車内は内装材や座席モケットの張り替えが行われていて、外観と同様に爽やかな雰囲気で見た目は好きです。なお全車指定席化に伴い座席の発売状況を表示するランプが荷棚下に設置されています。


座席は185系に比べてシートピッチが広めで、台座が小さいので前席下に足を延ばすことが可能です。窓下にはコンセントが設置されましたが、仕方なく付けてやったという雰囲気が溢れています。また座席の肘掛けの塗装が剥がれた部分が放置されていたり、一部の窓枠にテープで穴を隠した箇所や、雨漏りが発生した箇所もあるとか。乗客を生きたまま運べれば何でもいいという社風を体現しています。


近年の車両で標準装備となりつつある大型荷物置き場も設置されましたが、両先頭車の1・9号車のみで、数が足りているとは思えません。しかも1号車は景色の良い海側に設けられています。一応の対策として、指定席券売機で荷物置き場向かいの座席を購入する際には「眺望に難あり」の確認画面が表示されるとか。


大型でしっかりした造りですが、下段は機器室なので荷物が置けるのは上段のみです。見た目の割には大した収容力はありません。運転席側に機器室を置く関係で1号車は海側に荷物置き場を作らざるを得なかったのでは?と邪推します。


3号車の東京方に設けられているフリースペースはそのままでした。元々は中央線時代に隣接する4号車のグリーン車が禁煙の為、喫煙スペースとして設けられたものだそうです。


海側は線路方向にバータイプの腰掛とテーブルが設けられています。長そうに見えますが3人座るのは厳しいです。見た目通り座り心地は悪いので、テーブルを生かして飲食を楽しむのは厳しいと思います。


対して山側は向かい合わせに1人ずつ座れる造りで、野球のホームベースのような形状のテーブルが特徴的です。こちらは荷物置き場に改造しても良かったかもしれません。


そしてE257系2000番台最大の問題点はグリーン車です。中央線時代は半室グリーン車だったので、車両中央に乗降口が設けられています。乗降口を境に手前側(熱海方)が小窓のグリーン席と車掌室で、奥側(東京方)が大窓の改造グリーン席となっています。


生粋のグリーン席は7列設けられています。中央線時代から変わりありませんが、4列シートでグリーン料金を徴収されるのは理不尽に感じます。しかし今回の改造でこれを下回るグリーン席が生まれてしまいました。


肘掛けは大型で枕左右の張り出しも大きめですが、隣人との距離感は近くて他人がいると気まずいです。コンセント設置のやっつけ仕事はグリーン車でも遺憾なく発揮されています。


こちらは先述したように元普通席区画です。他の普通車と同様の窓割りとなっていて、窓割りに変化が無い状態でグリーン席に改造すると、後述するような悲劇が発生します。


車内は窓が大きいので、生粋のグリーン席より明るく開放感があります。デッキとの仕切り扉は交換されていないようで、普通車と同様のものでした。そして肝心の座席に目を向けると…


このように盛大に柱とぶつかる区画が発生します。E653系いなほ号のように窓2列分で座席1列の配置にすれば解決しますが、背面テーブルが届かなくなるので、テーブル内蔵式の座席に交換する必要があります。ここまでしてグリーン席を増やす必要があったのでしょうか?1~7列目が生粋のグリーン席で、10~14列目が改造グリーン席となります。捨てるほどお金が余っている方やJR東日本にお布施したい信者の方は試してみては如何でしょうか。

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