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夜行列車復権への道 次世代寝台電車構想

2021年現在で定期運行している夜行列車は「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」の2列車のみです。サンライズ出雲号は年間を通して乗車率が良く、繁忙期には臨時列車も設定されるほどです。対してサンライズ瀬戸号はいまひとつ乗車率が振るいません。また運用されている285系は製造から既に22年を超えています。リニューアルは実施されていますが、このままでは車両の寿命と共に列車廃止となっても不思議ではありません。そこで「夜行列車復権への道」と題して様々な可能性を模索してみました。今回は夜行列車運行に欠かせない次世代車両について考えてみました
(2021年02月17日執筆)


285系での問題点

285系は分割民営化後に初めて製造された寝台電車で、JR東海(2本)とJR西日本(3本)が保有しています。定員の8割以上が個室寝台となっていて居住性は非常に良好です。寝台電車という事で加減速性能が優れており、客車列車に比べてスピードアップも図られています。従来の夜行列車から大幅に進化していますが、問題点が無いわけではありません。まずは現行の285系における問題点を挙げてみます。

●喫煙可能な個室が設定されている
285系では喫煙可能な個室が28室設定されています。しかし駅構内や列車内での全面禁煙が当たり前となった昨今では、喫煙室は嫌煙される可能性があります。

●2人用個室が少ない
定員の8割以上に設定されている個室のうち大半が1人用個室で、2人用個室は非常に少ないです。ビジネス客中心の列車なら問題無いでしょうが、サンライズ出雲号ではグループ客も少なからず利用しているので、2人用個室は満室でも1人用個室は空室が見られるケースもあります。


次世代寝台電車273系(仮称)の構想

次世代寝台電車を273系(仮称)として、285系との変更点を列挙してみます。

●全室禁煙化と喫煙ルーム設置
嫌煙志向の高まりを受けて全室禁煙とします。代替として3号車のミニラウンジの半分を喫煙スペースに変更するのはアリだと思いますが、他列車での喫煙ルームの利用状況によっては全面禁煙でも問題は少ないかと。

●客室構成の変更
285系では1人用個室のシングルが中心となっています。そこで6号車の代わりに4号車の客室構成をアレンジした車両を組み込み(2階をサンライズツインに変更・シャワー室と機器室のある車端部をシングル2室に変更)する事で2人用個室を増室します。


交直流対応寝台電車585系(仮称)の構想

サンライズ出雲・瀬戸号は共に直流電化区間のみを運行するので、285系は直流型電車です。しかし九州・北陸・東北へ列車を運行するには交直流車両が必要となります。そこで285系をベースに交直流対応寝台電車を考えてみました。

●交直流寝台電車実現にあたっての課題
直流専用の285系は車体サイズを限界まで使って客室や各種機器類を配置しています、交直流仕様とするには当然搭載機器類の増加により客室の減少は避けられません。床下や屋根上に機器搭載スペースを確保するために平屋構造の車両を増やす必要があります。

●増加する機器の搭載スペースの確保
機器搭載スペースを確保するためにJR西日本の683系で採用例のあるM-Tpユニット構成の採用を考えています。M車には直流電車相当の機器のみを配置して、隣接する車両を平屋建てに変更して床下や屋根上に交直流対応機器を配置する仕組みです。

●285系との変更点
両先頭車の1・7号車を平屋建てに変更して交直流対応機器を配置します。屋根上の空調装置を集中式に変更してパンタグラフ搭載スペースを捻出します。3号車と2号車、また5号車と6号車の連結位置を交換して両端各2両でM-Tpユニットを構成します。平屋車両への変更などでシングルが14室、シングルツインが2室減少しますが、定員減は可能な限り抑えたつもりです。


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