raidendo


スマホ用メニューは右上の三本線アイコンです

波瀾万丈の西日本周遊記5

吉ヶ原駅構内を散策したあとは、線路沿いに7分ほど歩いて「黄福柵原(こうふくやなはら)駅」にやってきました。1991年の廃線から1998年に当地で展示運転を開始して、2014年には路線延伸という形で生まれた駅となります。


こちらは展示運転時のみ公開されるようで、駅舎内には実際に使用するタブレット閉塞機が設置されていました。吉ヶ原駅と同じく三角屋根が特徴的です。


ホームにはDD13形が停車していました。国鉄のDD13形とそっくりですが、重量級の鉱石運搬列車に対応するべく出力増強などが行われています。貨物列車だけではなく旅客列車や混合列車もけん引していたそうです。当機も塗装して間もないのか非常に綺麗な姿でした。


ホームの奥にはホハフ2003と2004が停車していました。開放型のデッキが特徴で、両車共にブルートレインのような塗装となっています。展示運転の際にはDD13にけん引されて運用されるようです。


車内の状態は決して悪くはありません。背ずりにモケットが張られていない点が時代を感じさせます。窓下にはテーブルはありませんが、灰皿が設けられています。


公園内の鉄道車両を一通り見学した後は柳原鉱山資料館を見学します。入口に展示されていたのは、主に産出されていた硫化鉄鉱が展示されていました。精製して得られる硫酸や硫酸アンモニウムは様々な工業製品に利用されて、1950年代の朝鮮戦争時には「黄色いダイヤ」と呼ばれるほど価値がある鉱石だったそうです。右手前にある小さい鉱石を持ってみると非常に重くずっしりとした感触でした。


柳原の歴史コーナーには片上鉄道に関する展示物が数多くあります。こちらは記念切符を拡大したもののようです。路線図に沿線の名所などが記されています。採掘された鉱石の運搬や地元住民の足として機能していた様子が伺えます。


木製の乗車券箱にダッチングマシーンも展示されていました。地方ローカル線ですが、口座数はそれなりにあったようです。画像では見難いですが定期券用と思われる券紙も収められています。


驚いたことに記念乗車券なども複数発売されていたようで、かつての賑わいを感じさせます。一番下には鉄道車両が図案の切手に沿線郵便局の風景印が押印された作品が展示されています。郵便局とコラボしてスタンプラリーのような催しを行ったのでしょうか?


更には記念スタンプも設置されていたのですから驚きです。現代でもここまで力を入れた地方ローカル線は少ないのではないでしょうか?


展示スペースの先には当時の鉱山の町を再現した区画もありました。近づくと効果音が流れる本格的な仕様です。右手前の自転車は、自分が高校時代に年賀状配達のバイトで同じようなタイプのものに乗った記憶があります。


商店は店内にも入れます。日用品から駄菓子まで幅広い品揃えでした。タバコは高級品なのかガラスケースに収められています。このあとはエレベーターで地下の展示フロアへ向かいます。

←【その4】へ  【その6】へ→


<< 前のページに戻る

↑ PAGE TOP