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京急2100形の後継車両案

京急のフラッグシップとして活躍する2100形は、オールクロスシートでドア間は転換クロスシートという非常に豪華な仕様です。平日はライナー列車として、土休日は三浦方面への観光客輸送として幅広く活躍しています。しかし2ドアオールクロス車という構造上の問題も抱えています。登場から23年を超えて全編成がリニューアル工事施工済みですが、1000形1890番台という個性的な車両の登場に伴い後継車種の仕様を考えてみました。
(2021年05月12日執筆)


2100形の問題点

全席クロスシートなので立席空間が少なく詰め込みが効きません。ラッシュ時間帯は運用を外れるものの、ラッシュの直前や直後に充当される列車ではかなり混雑が激しい状態となります。また2ドア車なので乗降に時間が掛かり遅延が発生しやすくなっています。そのため他社線に入線を拒否されるという運用上の制約も発生しています。


後継車両の車内仕様一覧

車内仕様としては2ドア転換クロスシート・3ドア転換クロスシート・3ドアL/Cシートの3仕様、また車端部の座席構成をクロスシート・セミクロスシート・ロングシートの3仕様を組み合わせた合計9仕様で検討してみました。以下に各仕様での想定座席数をまとめてみました。


2ドア転換クロスシート

2100形と同等の構成です。車端部の座席構成の違いで座席定員がどれだけ変わるのか試してみました。

●車端部クロスシート
単純に2100形と同等の構成で、2号車に車いす対応トイレとフリースペースを設けた仕様です。全仕様で最大の着席定員を確保出来ますが、現状の問題点を全く解決できません。

●車端部セミクロスシート
新1000形16次車以降と同様のセミクロスシートの採用で、車端部の立席空間を拡大して混雑緩和を期待しています。ウイング号での運用を考慮して普通のロングシートではなく、TJライナーやS-TRAINのような構造の各席肘掛け付き4人掛けハイバックシートを想定しています。ドア付近の混雑は多少緩和されそうですが、乗降時間の短縮は僅かに留まりそうです。

●車端部ロングシート
車端部全席を各席肘掛け付き4人掛けハイバックシートによるロングシート仕様です。ある程度の混雑緩和は期待出来ますが、約1両分相当の座席が減少するのは痛いですね。


3ドア転換クロスシート

2100形の中間車を例にすると9・10列目(中央2列)の座席を撤去して中間ドアを設置して、8・11列目(隣接2列)を補助席に変更する事で3ドア車とする案です。ドア数が増えるので乗降時間の大幅な改善が見込めます。

●車端部クロスシート
600形の登場時に近い全席クロスシートなので、可能な限り座席定員は確保した仕様です。なお正座席が減るとともに補助席が増えるので、ウイングチケット券売機で補助席の発売を開放する必要があると思われます。

●車端部セミクロスシート
車端部の立席空間を拡大してラッシュ時にもある程度対応可能な仕様です。

●車端部ロングシート
更に立席空間が増えて他社線への乗り入れも問題無く行えそうですが、座席定員が2100形の6両分相当へ大幅に減少するのでウイング号運用へ影響が出ます。


3ドアL/Cシート

1000形1890番台で採用されたL/Cシート仕様で検討してみましたが、座席数があまりに少なく実用的ではありません。L/Cシートはイベント対応のための装備で、その他の車種への展開はまず無いと思われます。


現実的な案は

全9仕様で座整数を算出してみましたが、実現性の高い案としては2ドア転換クロスの車端部ロング仕様か、3ドア転換クロスの車端部クロス仕様だと考えています。ウイング号としての座席数確保と、一般運用時の混雑緩和の両立は難しいですね。


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