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京急1000形1890番台の運用について

京急の代表的な車両となった1000形は、アルミ車体やステンレス車体と言った車体の材質に加えて座席配置や前面形状など非常にバリエーションが多い特徴があります。そんな1000形に更に新たなバリエーションが加わることになりました。今回は歴代京急車両の中でも特に個性の強い1890番台の運用方法について予測してみました。
(2021年01月24日執筆)


京急初が詰まった特徴的な車両

●1890番台は4両編成で外観は1800番台に酷似しています。2本繋いで貫通路を構成すれば他社線にも乗り入れは可能でしょうが、1800番台が他社線乗り入れを中止している現状では1890番台が他社線乗り入れを行う可能性は低いと思います。将来的な可能性に備えて貫通路構成は可能に設計したという程度でしょうか。

●1890番台最大の特徴である内装は、自動回転式シート(L/C腰掛)の採用やトイレの設置という京急史上初採用を多数盛り込んだ仕様となっています。近年の関東大手私鉄で運行を開始したライナー列車で多く採用されているロング⇔クロス転換仕様の座席を採用して、日常的な運用から座席指定列車やイベント列車など幅広く運用する事が可能です。なお座席は2100形と比較して幅が10mm拡大されてコンセントも設置されるそうです。また乗務員室直後には展望席が復活しています。更に編成中に車いす対応トイレと男性用トイレを1か所ずつ設置して長時間の乗車でも安心の造りになっています。なお文庫と久里浜の車両基地に汚物処理設備を新設しています。


可能性の高い想定される運用

●イベント列車
京急線では沿線企業とコラボして飲食が可能なイベント列車を運行した実績がありますが、車内にトイレが無いために途中駅でトイレ休憩で長時間停車を行う必要がありました。本列車ではトイレが設置されているので、様々なイベント列車の長時間運行が可能となります。プレスにも貸し切りイベント列車と明記されているので充当される可能性は非常に高いと言えます。単独4連では大師線への入線も可能ですし、2本繋げば本線でのイベント列車としても運用可能でイベントの規模に応じた柔軟な調整が可能です。


実現してほしい想定運用

●横浜方面へのエアポート急行
前述したように他社線への乗り入れは可能性が低そうなので、線内完結の運用を前提に考えると南エア急への充当が考えられます。ロングシート車に比べて座席数は減少しますが、南エア急の混雑度は比較的低いので問題は無いかと思われます。

●日中の本線普通列車
日中を中心に本線の一部普通列車は4連で運用されています。混雑度も低いので単独運転でも問題は無いかと思われます。ただし普通や南エア急での運用時は整備作業を省略するためにトイレは閉鎖扱いとするかもしれません。

●モーニングウイング3号の増結
平日朝ラッシュ時に運行されるモーニングウイング号は安価な料金で着席通勤出来るので人気が高く、特に品川7時半頃に到着する3号は一週間先でも満席という大盛況でした。そこでクロスシート状態の本形式を増結して12両で運転する事で提供座席数を増やすものです。ただし乗務員室の扉開閉選択スイッチの新規設置と2100形の改造が必要になります。


実現可能性の低い想定運用

●一部のイブニングウイング号への充当
2100形に比べて座席数に違いがあるので、突発的な代走で充当しようとすると座席数が不足してしまいます。モーニングウイング号は前述の増結以外で充当される可能性はほぼゼロかと思われます。イブニングウイング号は当日の朝から発売を開始するので、前日までに代走の必要が判明すれば座席管理システムへ介入して調整は可能でしょう。プレスには座席指定列車とも記載があるので、増備が行われれば一部のイブニングウイング号の運用を1890番台による限定運用に変更するかも(2100形が代走する場合は座席数が増えるので問題ない)しれません。


実現してほしくない想定運用

●A快特への代走充当
線内完結の快特であるA快特は主に2100形が充当されていますが、本形式4+4連での運用は可能な限り避けてほしい運用方法と考えます。3ドア車である事やトイレ設置などで2100形より提供座席数が大幅に減少し、着席チャンスの低下は苦情に繋がりかねません。座席のセット状態に関係なく発生する事が予想される問題なので、エア急を除く優等列車には充当してほしくないです。

●朝夕ラッシュ時の増結運用
前述のように提供座席数が減少するので、好ましい運用とは言えません。文庫で増結待ちをしている利用客からは1890番台の入線を見て失望する人もいるかもしれません。またトイレの設置により詰め込みが効かないという問題もあるでしょう。


おまけ

●2100形へのトイレ設置については「2100形を改造してトイレを付けるということは考えていないが、利用者のニーズ、(新型車両のトイレの)利用頻度から需要があれば、検討していきたい」との事です。本形式の為だけに汚物処理設備を設置するとは考えにくいので、2100形の後継車両にはトイレが設置される可能性は高いと予想しています。


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